2009年 08月 28日
「ポー川のひかり」 |
ボローニャ大学・歴史図書館の床一面に釘で打ち抜かれた、夥しい本の死体。
こんな衝撃的なシーンから、この映画は始まります。
監督は名作「木靴の樹(1976)」のエルマンノ・オルミ(78歳)。
これが最後の映画になると自ら語っています。滔々と流れるポー川のほとりに
住む人々、そこに世の中との係わりを全て捨てた「キリスト様」と呼ばれる
元教授が辿りつき交流が始まります。
「人生の豊かさとは」と、私たちに問いかけます。最後に語る教授の言葉が心
に残ります。「世界中の本よりも、友人と飲む一杯のコーヒーのほうがいい」。
「ポー川のひかり」 2006年・イタリア映画
監督:エルマンノ・オルミ 主演:ラズ・デガン
神保町「岩波ホール」上映中
by sustada
| 2009-08-28 18:57
| シネ通信