2012年 05月 12日

「それにつけても今朝の骨肉」のイラストレーションは、両方とも四国で活躍の作家、
松林誠さんの作品。内容にピッタリの絵でしたので、私はどちらに決まってもOK
でした。「遺書」のラフはあえて、モダンなデザイン(タイトル名を間違えている)
と、落ちついたエッセイ風な装丁の2点を作り、選んでもらいました。最終的には
著者が選び、結果としては売れに売れて皆さん大喜びでした。

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プロフィール
多田 進/装丁家 1937年 東京生まれ。 都立工芸図案科卒業。 おもな仕事に深沢七郎著「深沢七郎集」、田村隆一著「詩人のノート」、團伊玖磨著「パイプのけむり」、椎名誠著「小さなやわらかい午後」など。 2010年5月、講談社出版文化賞(ブックデザイン賞)受賞。 日本図書設計家協会会員。 メールアドレス sustada@chorus.ocn.ne.jp カテゴリ
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2012年 05月 12日
![]() 「それにつけても今朝の骨肉」のイラストレーションは、両方とも四国で活躍の作家、 松林誠さんの作品。内容にピッタリの絵でしたので、私はどちらに決まってもOK でした。「遺書」のラフはあえて、モダンなデザイン(タイトル名を間違えている) と、落ちついたエッセイ風な装丁の2点を作り、選んでもらいました。最終的には 著者が選び、結果としては売れに売れて皆さん大喜びでした。 ![]()
2012年 05月 06日
![]() 今回もボツになったラフ案の紹介です。「回り灯籠」、ラフ案の落ち葉は自宅から 駅まで(約30分、里山のような道)の途中で拾った落葉です。そのままにしておく と色が変わるので、仕事場に着いたらすぐカラーコピーしておき、コピーを切り抜い てラフを作りました。採用されたのはこちらでなく、吉村さんが散歩の途中に見た 夕焼け風景の方でした。「果樹園の蜜蜂」はドイツ文学、高橋英夫さんの随筆集です。 使用した植物画は西洋の古い木版画です。高橋さんはあとがきに、「私はいつの 間にか古いドイツ文学という果樹園を、低い羽音をたてて飛びまわる、一匹の蜜蜂 になっていたのだった。」とあります。この思いを少しは表現できたかなと思って います。 ![]()
2012年 04月 28日
![]() 左側が採用されなかった案で、右側が採用された実際の本です。ラフ案を だすときは、できるだけ様子の違う案をだすよう心がけています。 「通天閣」の絵は著者、西加奈子さん。西さんはとても絵が上手くイラスト レーターになっても充分、食べていけます。「書物耽溺」は本をあしらった 小紋で作った案と、全て木版で摺った案の2点を提案。結果は木版摺り の方に決まりました。 ![]()
2012年 04月 21日
![]() 木版画で装丁した作品を2冊紹介します。ラフをしっかりと作り、それを 元に木版を彫りあげ、スミ1色で刷り、色を指定して版下入稿しました。 タイトルの「古い手帖」は、ゲラ刷りの文字(9ポ)を拡大。「梅雨の記憶」 は初号活字にスミをつけ捺印し、版下にしました。 ![]()
2012年 04月 14日
![]() ![]() 70年代の初め、ベトナム関係の本を何冊も装丁していました。その中から3冊。 「ベトナム秘密報告」は上下2巻、合わせて770頁もある大作です。出版社も力を 入れラフ案を数点、要求されました。「愛と死の戦場」、著者はイタリア出身の ジャーナリスト、オリアーナ・ファラーチ。サブに「ベトナムに生の意味を求めて」 とあるように、戦場からの報告です。 ![]()
2012年 04月 06日
![]() 「バンドーに訊け!」の著者、坂東齢人さんは馳星周さんです。ラフ案は、 A・Bの2案、私はAの方がいい思ったのですが、Bに決定。残ったA案は 表紙に使いました。「小鷹信光・ミステリー読本」はアメリカでよく見かける ノートの表紙をアレンジしてカバーにしました。背つぎのベタが右開きなの で左にありましたが右に移して背にしました。「インド緑の革命と赤い革命」 のラフ(外函)は、タイトル通りに赤と緑を使った姑息なアイデアでした。 実際は白ボールの裏を使い、地のキナリを生かして写真を赤茶に文字を スミのせの2色にしました。 ![]() ![]()
2012年 03月 26日
![]() 「日焼け読書の旅かばん」は、まず架空の文庫本を作り、それを撮影してカバーに あしらい装丁しました。「あゝ国民学校」は40年ぐらい前の仕事です。小さな文字 を一字一字、楽しみながら書いてラフを作ったのを覚えています。「新・放浪記」 のカバー真ん中にあるのは、道端で拾った石ころです。若き日、とんがっていた 野田さんでしたが、ローリングしてすっかり丸くなった感じを出してみました。 でも、この意味を誰も分ってくれませんでした。 ![]() ![]()
2012年 03月 17日
![]() 「午前零時の玄米パン」は、群ようこさんの初めての本です。その頃、群さんは、 木原ひろみ名で本の雑誌社に勤めていました。ラフ案を出した時、まだ見慣れない 名前だった著者名「群ようこ」を、「郡よう子」と間違って作ってしまいました。 「革命、そして革命・・・」のラフ案は、白い台紙の上に赤の薄い紙を合紙して、 文字はカッターナイフで切り取り、白文字にしました。それを木版画家の下山力さん に彫り上げてもらい、印刷時に白ヌキにして仕上げました。 「テレビと子どもたち」は当時、幼稚園に行っていた長男のスナップ写真をつかい、 ラフ案にしました。 ![]() ![]()
2012年 02月 27日
![]() 昨年、高円寺での個展が好評だった高須賀優さんの「遊び絵」です。 ほとんどが映画、音楽、美術などのフライヤー(A4)に直接ドローイングした 作品です。これはハサミとノリのコラージュを絵具と筆に替えたコラージュです。 のびのびと描いて、のびのびと遊んでいます。 私が勝手に「遊び絵」と名付けてみました。 ![]()
2012年 02月 19日
![]() 武井武雄は伝統こけしの愛好家でコレクターでもありました。 木版画集「おもちゃ絵諸国めぐり」「愛蔵こけし図譜」は傑作です。 この本「武井武雄のこけし」は、こけしを題材にした武井武雄の数多くの 作品から、セレクトして一冊にまとめた楽しい本です。 こけし好きにはたまりません。 ![]() ![]()
2012年 02月 07日
![]() 東京国立近代美術館が開館した1952年から1975年の23年間、原弘は 当館のポスターを手がけていた。今回の展覧会はタイトル「東京国立近代 美術館のデザインワークを通して見えてくるもの」とあるように、近代美術館 のポスター(一部版下ラフスケッチも展示)を中心に展示。他に雑誌、書籍、 カタログなど原弘の全貌展ともいえる。作品が多いのはいいが、小さな場所 に盛り沢山の為、それぞれの作品が引き立ってこないのが少し残念。 ![]() ![]()
2012年 01月 25日
エリック・ギルの展覧会が今、多摩美術大学美術館で開かれています。
ギルが携った活字書体の設計図、石碑文字のオリジナルドローイングと 拓本の実物、私家版印刷の書籍など約200点が展示された、実に贅沢な 会場です。美しい文字、美しい絵、美しい本に出合えます。 ![]() ![]()
2011年 12月 24日
![]() 5センチX15センチ、42ページ、中トジのかわいい本です。 「メルヘン ティータイム」とあるように有名なメルヘンをパロディで描かれています。 この本にはデザイナーの明記がありませんが、きっと宇野さんの仕事だと思いま す。宇野さんのデザインセンスは素晴らしいものがあります。 ![]() ![]()
2011年 12月 17日
![]() 文庫本を横にしたぐらいの小さな本です。背のツムギと平の和紙からなる、 つぎ表紙、上製です。本文(和紙)は袋とじ、46頁の瀟洒な本です。 最後にこんな言葉が載っています。「幸いの薄かった母は四十二歳、 哀しい父もそれから三年後、五十二歳で若く死んでいきました。」 ![]() ![]()
2011年 12月 10日
![]() 最近、新聞でも「こけし」の記事が目につくようになりました。いろいろなこけし の本が出版されたり、専門雑誌「こけし時代」が創刊されたりしています。 こけし界もすっかり冷えきっていたのですが、ここにきてちょっとしたブームに なっている感じがあります。 今から35,6年前にこけしブームがあり、私もこけしを求め度々、東北に出かけ ました。その時、こけしをもとに何点か「こけし版画」をつくりました。 上は宮城遠刈田の丑蔵さん(当時85歳)のこけしを、下は山形温海の阿部常吉さん (当時70歳)のこけしを木版画にしました。 山郷の美しい東北の地で、こけし作りに励む二人の姿が懐かしく思いだされます。 ![]()
2011年 12月 02日
![]() 榎本了壱さんは1974年に創刊された「ビックリハウス」の編集長を務め、 また寺山修司の映画「書を捨てて街を出よう」で美術を担当していました。 ここに上げた二冊とも榎本さんの装丁です。出版社は別々ですが、 本の判型は同じで函入りです。雑誌のデザインで本領を発揮した榎本さん らしい仕事に仕上がっています。 ![]() ![]()
2011年 11月 26日
![]() 40年も前に42歳の若さで亡くなった伊坂芳太良さんの画集です。 1960年代の後半に彗星のごとく現れ、彗星ごとく散ってしまいました。 バタ臭い独特のタッチが印象的でした。伊坂さん本人もガイジンみたいで それはそれはイイ男でした。 ![]() ![]() ![]()
2011年 11月 19日
![]() 帯にこんな言葉がならんでいます。 キモカワイイ! コワカワイイ! エロカワイイ! グロカワイイ! もうこれ以上の説明はいりません。 2009年アングレーム国際漫画祭で「最優秀作品賞」。 ![]() ![]() ![]()
2011年 11月 12日
![]() いつもの伸坊さんのイラストはありません。文字だけです。それに刷り色は、 スミ1色かスミ+赤の2色とシンプルです。伸坊さんの文字「あしらい」は正統です。 文字の美しさを生かしてイジル事はしません。 ![]() ![]()
2011年 11月 05日
![]() 「ポーカー・フェース」は沢木耕太郎さんの新刊です。装画は小島武さん。 前に刊行された「バーボン・ストリート」の装画も小島武さんです。惜しい事 に2009年10月に亡くなられました。下の「彼らの流儀」は1991年に刊行され、 装丁は私が、写真は沢木さんです。砂目で製版して雰囲気をだしました。 ![]() ![]()
2011年 10月 29日
![]() 美しい本です。ツヤのある白い余白が生きています。文庫本です。 装丁は間村俊一さん。今、一番元気な装丁家です。 カバーに出てくるペンギンは間村さんが古物市でみつけてきたとの事。 なぜペンギンかは著者が「あとがき」でふれています。 ![]()
2011年 10月 21日
![]() 高須賀さんは凄い絵描きさんです。この本はA5変・並製56ページの瀟洒な 画集です。1ページに1点、50点近く掲載されています。余分な文章はナシ。 若い頃サーカス団でペンキ塗りや、ポスター描きを手伝った事があるとのこと、 サーカスの絵が多いのも頷けます。 ![]() ![]() ![]() ![]()
2011年 10月 15日
![]() 楽しい楽しい本を二冊紹介します。二冊とも20年近く前に筑摩書房から発行され ました。一冊は「グリコのおまけ」。装丁・構成が「ぜんまい屋」の金田理恵さん、 「オマケ」が次から次へと何百点と出てきます。 もう一冊は「福助さん」。荒俣宏(編)、南伸坊(装本)、林丈二(写真)の三人 が作った本。福助満載で福がつきます。 ![]() ![]()
2011年 10月 06日
![]() 駒場の日本民藝館で「朝鮮時代の絵画」展が開かれています。 一般に「朝鮮民画」と呼ばれ、文字絵・文具図・花鳥図などさまざまな画題が 無名の絵師により実にのびのびと描かれています。同時に朝鮮時代の優れた 工芸作品も展示されています。 ![]() ![]()
2011年 10月 01日
![]() 昔ながらの製法にこだわり、てぬぐいを作りつずけている「かまわぬ」と 「角川」がコラボしたのがこの文庫本。伝統の文様をそのまま版下として 使わないで、手ぬぐいから製版しているので、味のある仕上がりになって います。文庫にピッタリはまっています。 ![]() ![]()
2011年 09月 24日
![]() 美しい本です。「コルシア書店の仲間たち」は船越桂さんの彫刻が 生きています。「ヴェネツィアの宿」の装画は古い絵葉書がカバーの 表と裏に同じ大きさでレイアウトされています。細い明朝の使い方 がとてもいい感じです。二冊とも装丁は宮川一郎さんです。 ![]() ![]()
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